阪神・淡路大震災は17日で発生から25年。神戸市中央区の諏訪山公園ビーナスブリッジでは、震災の発生時刻にあわせ、鎮魂のトランペットの音が響いた。神戸の街を望める高台から、トランペット奏者の松平晃さん(77)=川崎市=が「花は咲く」を奏でた。
会社勤めをしながら、求めがあれば各地で演奏してきた。25年前、震災の前日に公演のため神戸に滞在し、翌朝に川崎市の自宅で震災を知った。「生かされた命」。その思いから被災者の励ましになればと、1999年からビーナスブリッジでの「早朝追悼のつどい」で演奏を始めた。
実行委員会メンバーが高齢化し、昨年でつどいは最後になった。だが、「追悼の演奏を続けたい」との思いは消えなかった。東遊園地である「1・17のつどい」の実行委から昨春、「追悼の場を絶やしたくない」と依頼があり、今年も演奏することが決まった。
今回は、これまでとは演奏に込める思いが違った。昨秋の台風19号で自宅が床上浸水し、今も2階で暮らす日々が続く。「被災者になり、被災地の方々の思いをより身近なものに感じられた」。災害の恐ろしさや助け合いの温かさ――。震災に寄せる思いをトランペットの音色に乗せた。(川嶋かえ)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル